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「消化されない危険な人工食品」「マーガリンは食べるプラスチック」「海外ではとっくに規制されてるけど日本では野放し」など散々な言われようのマーガリンですが、このように言われるようになった理由は何なのでしょうか?またそれらの噂は本当なのでしょうか。

 

マーガリンはプラスチック?

油脂を固めて作るからとか分子構造が似てるとか様々な説を見た事がありますが、日本人が「プラスチック」と聞いて一般的に思い浮かべるプラスチックとマーガリンには何の関連性もありません

ではなぜ「食べるプラスチック」のような噂が出てきたのかと言うと、一番有力なのは「翻訳ミス」が原因とする説です。本来「Plastic」とは「可塑性(かそせい)」という意味で固体に力を加え変形させても元に戻らない状態の事を示します。

具体的な例でいうと、粘土に指を突き刺して穴を空けたとしても指を抜いた後穴はふさがりません。これを可塑性がある状態と表現し、マーガリンも同様に指で穴を空けてもふさがらない事からマーガリンは可塑性がある=「Margarine is Plastic」という表現になったのではないかという事です。

マーガリンが危険と言われる理由

多くのサイトなどでマーガリンは危険という記述を見かけますが、マーガリンが危険と言われる理由は「トランス脂肪酸」による物です。マーガリンを製造する工程で生成されるトランス脂肪酸は「食品からとる必要のない物」と考えられており取りすぎた場合心臓病のリスクが高まるとされています。

人工のトランス脂肪酸が危険

このトランス脂肪酸という物は通常の食品、例えば牛肉や牛乳と言った物の中にも僅かながら含まれています。その為一部ではマーガリンを作る過程で人工的に生成されたトランス脂肪酸が体に悪影響を及ぼすという記述も見られますが、人工と天然のトランス脂肪酸で体に及ぼす影響が違うという事を結論付ける科学的根拠はありません。(出典:農林水産省2018/01/15)

「海外ではマーガリンは禁止されている!日本では野放し!」の理由

これに関してはかなり前から記述を見かけますが2015年に掲載された日本経済新聞の

米食品医薬品局(FDA)は16日、一部の菓子類やマーガリンなどに含まれ心臓疾患のリスクを高めるとされる「トランス脂肪酸」の原因となる油の使用を禁じると発表した。「食用として一般的に安全とは認められない」と判断した。3年間の猶予期間を経て、2018年6月以降は食品への添加を原則認めない。

という報道発表からアメリカでは2018年6月以降トランス脂肪酸を含むマーガリンを使った製品は販売できないという事になります。ではアメリカ以外の国ではどうでしょうか?現時点では特にトランス脂肪酸が含まれるマーガリンの販売を禁止している国というのはありません(※もしある場合は教えて下さい)。

ただし、トランス脂肪酸の含有量を制限している国はありこれらの事から「海外ではマーガリンが禁止!」と言われるようになったのではないかと推測されます。

なぜ日本では規制されないのか

一番気になるのはここではないでしょうか。WHO(世界保健機関)ではトランス脂肪酸の摂取量を摂取エネルギーの1%未満にすることを推奨しています。

そこで規制が強化されたアメリカを見ると大人一人当たりの平均摂取量は約2.6%にも及んでおりこの事をアメリカでは非常に問題視しトランス脂肪酸の含有量を規制するなど対策を行いましたが更なる強化として2018年からの全面禁止となりました。

では日本はと言うと、農林水産省が2005年~2008年に実施した調査結果から日本人の平均摂取量は約0.44~0.47%とWHOの基準以下の数値である事から、「日本人の大多数がエネルギー比1%未満であり、また、健康への影響を評価できるレベルを下回っていることから、通常の食生活では健康への影響は小さいと考えられる」と結論付けられたのが規制されていない理由です。

日本人の場合はトランス脂肪酸よりも塩分のとり過ぎの方が深刻な問題になっています。

どのぐらい食べても良いのか

最近は健康意識の高まりなどもあって、トランス脂肪酸が非常に少ないマーガリンなども発売されています。雪印メグミルクのネオソフトを参考に見てみると2014年の時点では10g中に0.08gとなっています。


出典:雪印メグミルク

日本人が一日に摂取する平均カロリーは約1,900 kcalであり(農林水産省)、1日2g未満であれば許容範囲という事になりますので、仮に雪印ネオソフトだけを摂取した場合、トランス脂肪酸に限って言えば1日にネオソフト約249gまでなら許容量という事になります。通常パッケージは300g入りですのでかなりの量を摂取できる計算になります。

 

 

 

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